バブル時代に買っていただいた着物の点検。
こんにちは。ふじぜんの吉原です。
今では想像のできないバブル。この時代に経営はしていませんでしたが、すでに業界に入り丁稚奉公の辛い日々でした。
バブル世代のど真ん中。甘い汁を吸っていたので今では苦労も少なくありません。
もしサラリーマンだったら中間管理職でリストラの対象でしょうね。
父の時代からたくさんの方に着物を買っていただきました。
本当にありがとうございます。
着る機会も少なくなり、昔に買っていただいた着物はどうなっているのだろう?
当店のダメなところ。それは「売りっぱなし」
反省の意味も込めて一軒一軒、ゆっくりと丁寧にお伺いしています。
座敷に上がる
修行時代に先輩から言われていた一言が「座敷に上がれるのは呉服屋ぐらい」だと。
実家に帰ってきてからは玄関先が多かった。
これまでお客様のお宅に伺う時にはアプローチブックと案内状を持ち確約取り。
今思うとお客様もわかっていたんですね。確約が取れれば帰る事を…。
その確約取りから解放され今は手ぶら。
お客様本人は高額な着物を買ったと思っています。
私が売りに来ていない事が分かれば、すんなりと受け入れてくれる。
着物の点検です。決して売り話はしないと心に決めての活動ですが、これが今までにない感触で楽しいんです。
売上は?と聞かれそうですが、昔は大きいものばかり売っていたので、足らないものがはっきりと見えてきます。
今の時代はチリも積もれば山となります。
着物が好きだったお客様の財布の紐も緩む感じです。
昔話で会話がはずむ。
昔は売ることばかり考えていた私でしたが、考え方を変えれば懐かしい話ができるって楽しいものです。
あの展示会で買ったとか、あの旅行で買ったとか、おばあちゃんに買ってもらったとか色々な話で2時間ぐらいアッと言う間です。
うちの店に足らなかった物はこれなんですね。
父のお客様から自分のお客様になったような気がします。
これからも大切にしていきたいと思います。
新しいロゴを印刷
この機会に文庫紙のロゴを変えて新しくしてみました。
お世話になったお客様の着物全て無料でたとう紙を交換しています。気になっているお客さんがこんなに多いとは正直、思っていませんでした。
一軒に30枚、40枚はあたりまえですが交換します。
出費にはなりますが、喜んでいただける。
辛抱して回り続けます。
偏った販売に懺悔
バブル時代から顧客管理カードもないまま販売していたので、タンスの中に揃っている着物もバランスが悪い。
今更、こんな事を言うのはすごく失礼だ。反省m(_ _)m
着物は揃っていても小物がない。
これではせっかくの着物も台無しです。
足らないものをメモして…。
残す着物の仕分け
昔からお付き合いのあるお客様は祖母の着物の残っているようです。
着物が好きだったからお母様の着物も大切にしている方が多いのですが、どうしていいのか分からないようです。
一緒に着物を拝見しながら、残す着物と処分する着物に分けてタンスの中を余裕のあるスペースにして、残す着物を守っていきたいと思います。
結構、重労働です。
大変、喜んでいただきました。
久々にお客様と楽しく過ごすことができました。
お客様もスッキリとし安心した様子。技術の必要な時代かもしれませんが、知識でも喜んでいただけることを実感致しました。
小さい呉服店の方にはオススメです。アフターフォローは今からでも遅くはありませんが、もう少し早く気づいていれば良かったような‥。
吉原ひとし